「しんわ」から10年取引を行っていない貸金請求訴訟を起こされたが、時効消滅の主張で終了した件について
今年に入り、最終取引から5年以上経過した債権について請求や訴訟を起こされた、との相談が多くなっておりますが、今回、「しんわ」から訴訟を起こされたケースの相談を受けました。
なお、同様の案件は2020年7月にも相談を受けておりますので、2020年9月現在も提訴をうける場合が考えられます。
※ここでいう「しんわ」は福岡市に本社を持つ貸金業者の方で、「親和銀行」ではありません。
依頼者はちょうど10年弱前となる2005年6月まで「しんわ」と取引を行っていましたが、訳合ってその後の返済等を全く行っておりませんでした。
そうした所、「しんわ」が現住所を探して、福岡簡易裁判所に提訴してきた、との相談でした。
当職は簡易裁判所での代理権を持っておりますので、依頼者の代理人としてこの訴訟に対応することにいたしました。
当職としては、依頼者の記憶・証言や手持ち資料、原告からの訴状や証拠などを詳細に検討しました。その結果、そもそも最終の取引(弁済)から5年を経過し消滅時効にかかっていると判断し、答弁書で時効援用(時効消滅したことを主張)しました。
そうしましたら、「しんわ」からはすぐさま、訴えの取下書が届きました。
この件でもそうですが、簡易裁判所で訴訟を起こされた場合、「答弁書」のテンプレ用紙が裁判所から送られてくる場合があります。この用紙には、「私の言い分」の項目がありますが、「次の通りです(以下記入欄)」「話し合いによる解決(和解)を希望します。
分割払い、その他の案」との2項目のみ書かれており、消滅時効の項目はありません。
もし「分割払いでも払う」と記入して返送したり、「訴訟を無視して何も対応しない」場合は、裁判所はこの債権を認める判決や決定を出すことになります。
その場合は、時効はそこから10年間ということになり、その間は預金口座や給料、場合によっては不動産の差押を受ける可能性が出てまいります。
そのようなことがありますので、とにかく債権回収会社や貸金業者、場合によっては弁護士などから請求がありましたら、業者に連絡する前に、まずは当事務所にご相談ください。特に裁判所から通知文書が届いた場合は、裁判所に連絡する前に至急ご相談ください。
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実際に、時効の主張をするだけで終わったはずのものが、数十万円払った、という例が今年に入って当事務所だけで数件聞きました。この場合も、元金は20万円ほどでしたが損害金がついて請求額は80万円を超えておりました。
お早目のご相談が、あなたを守ることになります。
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2015.7.31
深江司法書士事務所(佐世保・深江司法書士事務所) 司法書士 深江政弘